高橋大輔選手のアイスダンス転向/復帰で脚光を浴びているアイスダンスですが、どれくらいルールをわかっていますか?
正直、今までの私は「きれいだな~」とか「そろってるな~」とか「複雑なリフトだな~」と見ていて、ルールがちゃんとわかっているわけではありませんでした。
まあシングルもペアもちゃんとわかっているかと聞かれると「???」なのですが、アイスダンスは「印象」だけを見ていたように思います。
これからアイスダンスも盛り上がって行くことだし(でしょ?)、もうちょっとちゃんとわかっていた方がおもしろいかなと、ちょっとルールやエレメンツのお勉強をしてみようと思い立ちました。
せっかくなのでこのブログで私なりにわかったことを書いて行こうと思います。
何しろ素人なので、もし勘違いなどありましたらご指摘ください。
まずはRD、リズムダンスからです。
アイスダンスのルール リズムダンス編
リズムダンスの基本のき
演技時間: 2分50秒±10秒
GOE: +-5の11段階
演技の課題 : 毎年変わる。
2020-2021は新コロナに関する特例で2019-2020シーズンの持ち越しで、下記のようになっています。
*2021-2022シーズンのRDについてこちらに記事を書いています。
音楽: ミュージカル/オペレッタ
リズム : クイックステップ/ブルース/マーチ/ポルカ/フォックストロット/スウィング/チャールストン/ワルツ
パターンダンス・エレメンツ: フィンステップ前半(S1)
リズムダンスのエレメンツ
*ダンスリフト
プロトコール中、Liというのがリフトです。その前に付くアルファベットによって種類がわかります。Liの後についている数字が、レベルです。
リフトの種類
持ち上げる選手(たいてい男性、ごくまれに女性)の滑り方によって分類されています。リズムダンスでは、4種類のショートリフトのうち1種類を行います。
Sl: ストレートライン
まっすぐ直線状に滑って行うリフト
Cu: カーブ
カーブを描いて滑って行うリフト
Sta: ステーショナリ
一か所に止まって行うリフト
Ro: ロテーショナル
回転しながら滑って行うリフト
*パターンダンス・エレメンツ
上記の通り、年によって課題が違います。
プロトコール上、1FS1+kpYNNT のように複雑な記号と数字で表されて、え~!わかんないよ、となってしまう部分かも。
FSというのは課題の頭文字、この場合はフィンステップのFSです。最初の1は課題のフィンステップのセクション1(前半)ということです。課題がたとえばタンゴロマンチカならFSではなくTRになります。
FSの後の数字はレベルです。
次のkpはキーポイントで、4ヶ所設定されているのですが、その部分を評価したのが後に続く、YとかNとかTです。
YはYes, NはNo、Tはタイミング。
YesはもちろんOKですが、Noは文字通りX。
Tはタイミングがずれたけど、ステップはOKだったよということで、Nよりは高評価になります。
パターンダンスについては、キャシーがブログでわかりやすく説明してくれています。
*パターンダンス・ステップシークエンス
こちらもパターンダンスの要素ですが、ステップ・シークエンスです(Pattern Dance Type Step Sequence)。
なので2020-2021はフィンステップ用と同じリズムを使います。
プロトコールは、PStL3+PStM2などと表記されます。
男女それぞれ別々の審判が見て、それぞれにレベルを付けます。前半のLが女性の評価、後半Mが男性の評価です。
*ツイズル
ふたりでそろって、氷上をくるくる回るあれです。
これもプロトコールで複雑な記号の羅列だったりするのですね。
SqTwL4+SqTwM3とかいうややこしいものですが、わかってしまえば、そうでもない・・・!
このツイズル、正式には「Set of Sequential Twizzles」ということで、SqTw はその略です。
そう、もうわかっちゃったでしょ。PStと同じで、前半のLが女性の評価、後半Mが男性の評価です。
この例だと、女性がレベル4を取れてるけど、男性はレベル3だったよということです。
*ステップ・シークェンス
DiSt2とかMiSt3というのですね。
Stがステップ。その前の2文字が種類を表します。描かれる氷上のパターンですね。
Di: ダイアゴナル(対角線)
Mi: ミッドライン(中央線)
最後の数字はレベルです。
NHK杯2020のチームココのプロトコールを分析してみる
実際のプロトコルをちょっと見てみましょう。2020年のNHK杯で優勝した、小松原美里/ティム・コレト組です。
1.CuLi4 5.30
カーブリフト、レベル4でした。
危なげなく、安心して見ていられましたよね。
2.SqTwL4+SqTwM4 6.84
ツイズルはふたりともレベル4、きれいに揃っていました。
3.1FS3+kpNYYY 6.60
フィンステップのセクション1、レベルは3。評価はNYYYでNoが一つ目のキーポイントだけです。素晴らしい!
4.PStL3+PStM3 7.70
パターンダンス・ステップシークエンスは二人ともそろってレベル3。
5.DiSt2 6.95
ステップはダイアゴナル(対角線上)でした。レベル2。
リズムダンスのルール ずいぶんわかってきました…か?
アイスダンス観戦初心者による、初心者のための簡単解説、いかがだったでしょうか?
自分で何となくわかっている気でいたものも、こうして書くとなると案外いい加減で・・・私自身にも良い勉強になりました。
次はフリーダンスを解説/分析してみようと思います。要素が多いから、大変かも・・・
*2021-2022シーズンのRDについてこちらに記事を書いています。かなだいの四大陸選手権の演技についても取り上げています。