フィギュアスケートにはいくつかカテゴリーがあって、それぞれに年齢制限があります。
いつ時点が基準になるのか、カテゴリーの年齢は重なっていたりするし、規定が変更されることなどもあって混乱することがありますよね。
ということで、おさらいしてみようと思います。ここでは、ISU(国際スケート連盟)の定めるISUの競技会とオリンピックの年齢制限です。国内の大会は、その国独自、その大会だけに対しての年齢基準があることが多いです。
2019全米女王になったアリサ・リウ選手がジュニア世界選手権に出られないのは、このせいです(2005年8月8日生まれ)。
フィギュアスケートのISUの年齢制限
年齢制限は、競技会前の7月1日までに規定の年齢に達していること(達していないこと)ということです。競技会時点での年齢ではありません。
*シニア
競技会前の7月1日までに15歳になっていること。
*ジュニア
男女シングル
13歳に達していること
19歳に達していないこと(18歳以下)
ペアとアイスダンス
男女とも13歳に達していること
女性は19歳に達していないこと(18歳以下)
男性は21歳に達していないこと(20歳以下)
*ノービス
*ベーシックノービス
13歳に達していないこと(12歳以下)
*インターミディエイト ノービス
15歳に達していないこと(14歳以下)
*アドバンストノービス
男女とも10歳に達していること
女性(シングル、ペア、アイスダンス)
15歳に達していないこと(14歳以下)
男性(シングル)
15歳に達していないこと(14歳以下)
男性(ペア、アイスダンス)
17歳に達していないこと(16歳以下)
ISU CONSTITUTION and GENERAL REGULATIONS 2018
フィギュアスケートに年齢制限がある理由
年齢制限で良く話題になるのはシニア、特にオリンピックの年齢制限についてだと思います。
ジュニアから下の年齢制限については、あまり話題にも議論にもなりませんよね。
シニアに年連制限がある大きな理由は、「健康」ということになっています。オリンピックは確か正式に、健康上ということになっていたと思います(競技種目独自に年齢制限を設ける場合の理由)。
でもこれは、どうなんでしょうね・・・
確かに、身体がまだ子供のうちに回転数の多いジャンプを跳ぶのは危険だし、成長過程にある子供が身体を酷使するのに問題があるなどとも言いますが、いくら試合で跳んではいけなくても、みんな幼いうちから練習を始めてしまうわけで・・・
この年齢制限は、特に女子の低年齢化を防ぐ意味合いが大きいような気がします。2018年6月のISUの会議で、シニア女子年齢の引き上げの検討が議題として提案されましたが、本会議に行く前に否決されて議題に上りませんでした。
ただ、このようなことが提案されたり論議されているということ自体、現在の女子の(技術的な、特にジャンプの)ピークの低年齢化が一部で問題視されているということですね。
言うまでもなく、最近4回転をバンバン決めて世間を驚かせているスケーターは、10代前半のまだ身体が針金みたいに細い子たちです。この子たちがいったいこの先身長が伸びて女性的な身体つきになった時に、今のジャンプ力を維持していられるか。。。ということです。
フィギュアスケートはジャンプも重要な要素だとは言え、全体的なバランス、音楽との調和などの芸術面も評価の対象になる、つくづく難しい面のあるスポーツだなあ、と思います。
それに10代前半でピークを迎えてしまうと、結局選手生命もとても短くなってしまいます。それって選手にとってはもちろん、ISUなどの組織にとっても良いことではないですね。
若くしてオリンピックなどで金メダルを取ってしまうと、その後すぐにプロに転向してしまったりということもあります。
というわけで、この年齢制限、ギリギリでオリンピックに行けなかったなどという話しを聞くとかわいそうな気がしますが、仕方がないかなと思います。
私個人としては、回転数の多いジャンプも見ごたえはあるけれど、それよりも美しいスケーティングや、音楽を身体全体で奏でてくれるような滑りを見たいと思っています。それには年齢制限は必要なことなのでは、と思っています。