規定数以上に跳んでしまったジャンプの減点に関して、ISUがガイドラインを改定しました(2016-2017)。
フィギュアスケート 規定回数以上に跳んでしまったジャンプの減点について
大きな変更はありませんが、ひとつだけ大きく変わったルールがあります。
これはこのブログでも「どうにかならないのかな」と書いたことのある、同じジャンプを複数回跳んでしまった時の減点に関するルールです。「どうにかならないのか」と思っていたのは、もちろん私だけではないわけですね。
ショートプログラム:
今季は、ソロジャンプとコンビネーションジャンプで同じ種類のジャンプを跳んでしまった場合、2回目がコンビネーションジャンプだった場合に、コンビネーションジャンプの得点がまるまるゼロになってしまっていました。来季はこれが変更になり、2回目のジャンプは無効になりますが、コンビネーションのもう片方は得点に加えられます。
フリースケート:
こちらも規定以上のジャンプは無効になりますが、コンビネーションだった場合には規定を越えたジャンプだけが無効になり、コンビネーションのそれ以外のジャンプは得点がもらえます。
たとえば
このコンビネーションがまるまるゼロになってしまうルールは、特に今季になって大きな得点を失う選手が続出しました。4回転の回数が増えたこともひとつの原因です。
たとえば男子のショートプログラムですが、上位選手は4回転を2回入れてくるようになりました。
ショートプログラムのジャンプは、3A(2A)とコンビネーションジャンプとソロジャンプですが、コンビネーションのジャンプのひとつ目とソロジャンプ両方を4回転にする選手が何人かいます(もちろん羽生選手もですね)。
たとえば、最初にソロジャンプを4Tで跳ぶつもりが失敗して3Tになってしまい、その後のコンビネーションで4S-3Tを成功させても3Tが規定違反になるので、4S-3Tの得点がまるまるゼロになっていました。今回の改正で、来季は同じことをしても4Sの得点はもらえることになります。
フリーも同じです。4回転ジャンパーの場合、危ないのは「3T」ということですね。
もちろんこの規定は回転数に関わらないので、2回転を繰り返し跳んでしまっても同じです。
ジャンプを失敗してしまった場合に、選手は先のジャンプ構成の変更を滑りながら考えなければなりません。そしてもし勘違いや計算間違いをしてしまったら、大きな失点という結果になることもあるわけです。今回の改正で、その失点が小さく抑えられることになったので、選手たちは少し気が楽なのではないでしょうか。
I N T E R N A T I O N A L S K A T I N G U N I O N Communication No. 2000
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