国別対抗戦の男子フリーは(も)、白熱した戦いになりました。
やはり世界選手権の直後で、まだ疲れが取れていなかったり調整が難しかったりしたのではないかと思います。
選手のみなさん、お疲れさまでした。滑ってくれてありがとう!
世界フィギュアスケート国別対抗戦2021 羽生結弦はショートフリーとも2位
今回も注目を集めたネイサン・チェン選手と羽生結弦選手の対決は、世界選手権に続いてチェン選手に軍配が上がりました。
このふたりは技術的にも表現(演技構成)的にも完成度が高いので、ミスのない方が勝つという感じになって来ていて、オソロシイです。
世界フィギュアスケート国別対抗戦2021 男子フリー
順位 | 名前 | 国 | 総合点 | TES | PCS |
1 | Nathan CHEN | USA | 203.24 | 107.84 | 95.40 |
2 | Yuzuru HANYU | JPN | 193.76 | 99.26 | 94.50 |
3 | Mikhail KOLYADA | RUS | 180.72 | 90.42 | 90.30 |
4 | Kevin AYMOZ | FRA | 169.13 | 80.73 | 88.40 |
5 | Evgeni SEMENENKO | RUS | 166.33 | 89.73 | 76.60 |
6 | Shoma UNO | JPN | 164.96 | 82.16 | 84.80 |
7 | Daniel GRASSL | ITA | 161.56 | 86.66 | 74.90 |
8 | Jason BROWN | USA | 160.33 | 70.53 | 90.80 |
9 | Adam SIAO HIM FA | FRA | 152.64 | 78.04 | 74.60 |
10 | Roman SADOVSKY | CAN | 134.80 | 55.70 | 81.10 |
11 | Nam NGUYEN | CAN | 133.04 | 61.24 | 72.80 |
ネイサン・チェン選手は少しジャンプの難度を落としてストレスを少なくして臨んだフリーですが、この作戦は当たったということになりますね。ジャンプ構成は、4F、3A+2T、3Lz、4S、4T+1Eu+1F、4T+3T、3Aでした。ほぼパーフェクトの演技でした。見ていても全然失敗する気配がなく、安心して見ていられました。最後まで疲れも見せず、すばらしかったです。
羽生結弦選手は、ふたつめのジャンプが1回転になってしまいました。それ以外が完璧だっただけに惜しかったです。ジャンプ構成は、4Lo、1S(4S予定)、3A+2T、3Lo、4T+2T、4T+1Eu+3S、3Aでした。
こうして見てみると、今更ながら二人のジャンプ構成って「すごい!」。特に最後の3つにコンビネーションをふたつ(ひとつは3連続ジャンプ)と3Aですからね。いやはや・・・
基礎点でチェン選手の方が10点高いのですが、これは羽生選手の4Sの失敗が響いてしまったことになります。演技構成点は少しチェン選手の方が高いですが、これもプログラム全体がミスなく破たんがなかったことに起因するかなと思います。
ただこれまでは技術的に同難度であれば、PCSで羽生選手の方が上に行くことが多かったように思いますが、チェン選手が演技構成的にも進化してきてほぼ互角になってきました。これは羽生選手にとっては厳しいです。やはり4Aかな。跳べたらすごいですね!
コリャダ選手はフリーも気品高く、難しい衣装も素敵に着こなして惚れ惚れしました。後半疲れからか崩れちゃいましたが、すてきでした。
エイモズ選手はやっぱり面白い!楽しい!見ている方をぐいぐい引き込む、とても素敵な演技でした。これからが楽しみでワクワクします。来季は欧州選手権がちゃんと開催されますように、なんて気が早いですが。
宇野昌磨選手はショートの様子から、どれだけくずれちゃうのかと心配していましたが頑張りました。直前に靴が壊れてしまったということで、靴にはどの選手も苦労しますね。冒頭の3A+4T、惜しかったです。でもこのジャンプを入れたという意義は大きいですね。成功しているところが見たいです。
グラッスル選手は、イタリア男子がひとりになってしまってプレッシャーがあったかもしれません。
ジェイソン・ブラウン選手は、4S挑戦も転倒。やはり四回転なしなら完璧な演技をしないと点数が伸びないです。厳しいなあ。
何しろ全体的にレベルが上がっていて、全員「すご~~~!!!」と見ていました。見ている方は面白いけれど、選手は大変です。
健康やけがに気を付けて、来季も素敵な演技を見せて欲しいです。