今年のNHK杯は国内大会のようになってしまい、しかも海外拠点の選手は出場しないということで、大会前から二人の若手、鍵山優真選手と佐藤駿選手に注目が集まっていました。
ほとんどの選手にとっては、世界中に映像が配信されるような大きな国際大会は初めてだったかもしれません。
(おかげで私はほとんど見ることができない日本の選手をたくさん見ることができて、その意味ではラッキーでした。)
新コロナの自粛で練習があまり積めなかったということもあるかもしれませんが、男子の試合はなかなかにハラハラさせられるものでした。
そんな中で、鍵山優真選手の強いこと!2位以下を50点近く引き離した、完全優勝でした。
NHK杯2020 男子の結果
総合順位 | 名前 | SP順位 | SP | FS順位 | FS | 総合点 |
1 | Yuma KAGIYAMA | 1 | 87.26 | 1 | 188.61 | 275.87 |
2 | Kazuki TOMONO | 2 | 83.27 | 3 | 143.35 | 226.62 |
3 | Lucas Tsuyoshi HONDA | 3 | 79.22 | 6 | 138.34 | 217.56 |
4 | Keiji TANAKA | 4 | 76.57 | 5 | 138.95 | 215.52 |
5 | Shun SATO | 7 | 72.04 | 4 | 142.71 | 214.75 |
6 | Kao MIURA | 8 | 66.84 | 2 | 143.69 | 210.53 |
7 | Yuto KISHINA | 5 | 74.44 | 8 | 124.90 | 199.34 |
8 | Sota YAMAMOTO | 9 | 62.38 | 7 | 127.81 | 190.19 |
9 | Sena MIYAKE | 6 | 74.34 | 9 | 111.16 | 185.50 |
10 | Nozomu YOSHIOKA | 10 | 55.88 | 10 | 108.82 | 164.70 |
NHK杯2020男子 鍵山優真優勝、友野一希2位、佐藤駿5位
ジュニア時代から競い合って、大きな大会でまるで代わり番このように優勝を分け合ってきた鍵山選手と佐藤選手、先日の東日本選手権では佐藤選手が優勝して、鍵山選手は2位だったんですよね。
そして今NHK大会は、鍵山選手が優勝。本当に仲が良いというか、何と言うか。。。
鍵山選手は2013年のハン・ヤン選手以来のGPSデビュー戦での優勝者になるそうです。今大会がちょっと特殊な状況下で行われたとしても、やはりすごいことだと思います。
鍵山選手は滑り始めてすぐに目が離せなくなってしまう、身のこなしの美しさを持っています。
もちろんジャンプもすごいです。この大会は(特にフリーは)、演技途中で崩れてしまいジャンプもガタガタになってしまう選手が多かったのですが、鍵山選手はほとんどのジャンプをばっちり決めてきました。
フリーのジャンプ構成は、4S、4T+3T、3F、4T、3A+1Eu+3S、3Lz+1Lo、3Aです。すごいのは冒頭の4S、加点が4.07も付いています。とにかくひざが柔らかい、着氷がふわっとしていて安心して見ていられます。
何気にスピン全部レベル4というのも、すごいんですが。
今日のエキシビションで、ISUの解説者が将来の世界チャンピオンになるだろうと言っていました。
2位になったのは友野選手。なかなか以前のスケートが(特にジャンプが)もどってきません。ジャンプが決まらないと、演技全体の精彩を欠いてしまう(ジャンプが決まらなくても魅せられるのは、ツルツルスケートのPチャンとか一部の選手だけですね)。すごく頑張っているのはわかるのですが、難しいスポーツです。
3位が本田ルーカス剛史選手。ルーカス!って、反応がミーハーですみません。どうしてルーカスなのか調べちゃいましたよ(ご先祖様にブラジル系の方がいるとか)。
本田選手は四回転を持っていないのかな?SPはノーミスでしたが、フリーはかなりボロボロになってフリーだけだと6位。キャシーの振り付けなのね。
注目された佐藤駿選手ですが、残念ながら5位という、かなり不本意な結果になってしまいました。まあこういう時もある。まだまだ若いし。
でもジャンプに苦労(4Lzがうまく行かなかったのが全体に響いた感じでしょうか)しつつも、SP、FSともスピンはちゃんとレベルが取れているという、能力の高さ、メンタルの強さが見て取れます。全日本が楽しみです。
田中刑事選手は、う~ん、ジャンプ以外は色気もあって良いんだけれどなあ。特にフリーでは3Aに3回も挑んだのに一度も決められなかった。。。
山本草太選手は、ちょっと意気込み過ぎだったかも。SPもFSも凝った衣装なのが印象的でした。全日本でリベンジ期待しています。
総合結果は6位だったけれど、フリーは2位だったのが三浦佳生選手。フリーの4S、加点が3.69付いてます。まだ15歳、これからが楽しみです。
三宅星南選手、王子様~!こういう衣装が似合う日本男子はそういない。
木科雄登選手、そのフリーのふしぎ衣装は何ですか?結構いろいろなところで話題になっていましたよ。
***
試合は100回の練習より勉強になるとかよく聞きます。その意味では今大会に出られた選手たちは、ものすごい経験をしたことになりますね。
これからに期待していますよ!